台湾で歯科医療を受けられる方へのアドバイス

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はじめに

     現地人と欧米人、在留邦人の歯科診療を長年続けて参りました。毎日来院する多くの外来患者を診ていますと、現地人と在台邦人に関わりなく、乱雑で過剰な治療のあまりの多さに気が滅入ります。逆に、欧米の患者さんは定期メンテナンスに来られる方が多く、健康で美しい天然歯がずらっと並んだ情景は、アジア人のやたらと治療され、銀歯や不気味に光り輝く白い人工歯で埋め尽くされている情景と強烈的な対照になっています。日本人を含むアジア人は予防に対する認識が非常に低く、日本の場合、80歳で残っている歯の本数は先進国の中でも下位です(日本8本、アメリカ17本、スウェーデン20本)。アジアの歯科医療のかかり方は「悪くなってから、痛くなってから仕方なく歯医者さんに行く」、医師側も「削る・被せる・抜く・埋める」といった治療管理型歯科医療で、欧米のように「悪くならないように予防する」「治療後の歯を予防管理していく」「抜歯や削る治療を極力減らす、避ける」予防管理型歯科医療の根本的な考え方と違っています。

     やたらと治療痕跡の多い日本人や台湾人のお口の中で、これは丁寧な治療がしてあるなと思われる例も偶に見かけますが、本当に良質な治療が施され、長年問題なく使われているものは残念ながら比率的にとても少ないのが現状です。一番始めの治療が曖昧なままであったり、悪劣なものであったりしますと、問題が起き易いばかりでなく、有害ですらありますし、何よりも次に問題が起きた時は、倍以上の時間と労力と専門知識を注ぎ込まなければその歯は救えません。

     台湾の歯科医療水準が低いからこういった乱雑な治療が広く行なわれ、台湾人の歯だけが駄目になっているのでしょうか?では、日本人の場合はどうなのでしょうか?

     在留邦人の患者さんの歯科的問題の殆どが「以前の詰め物が取れた」「以前日本で治療した歯が噛めなくなった・痛くなった・腫れてきた」と云ったような、以前日本国内で治療した部分の再発で、現地人と全く同じ問題でいらしている訳ですから、台湾の歯科医療水準が格別低いという事でもなさそうです。

     「以前治療した歯からダメになりますね」「台湾では一般治療の専門知識がないから、日本語が通じるところでもすぐ高価な被せ物やインプラントを勧められる」「日本の大学病院の先生に台湾の治療は雑だねと言われた」と在台邦人の患者さんによく言われます。

     日本国内に於いても台湾に於いても、何故、雑な不完全治療と医学的に必要性のない過剰治療や抜歯がこんなにも多いのか、私自身も歯科医師の一人であり、言いにくい事も多々ありますが、両国間でこのような問題が一般化してしまった原因を説明し、日本国内外で歯科治療を受ける際の注意点をご紹介していきながら、皆様に少しでも役立てて欲しいと願っています。