台湾で歯科医療を受けられる方へのアドバイス

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医院・医師選び

     日本も台湾も歯科医院の数が多く診療内容やコンセプトも様々なため、どこへ通ったらいいのか判断出来なくなっている患者さんのお気持ちも分かります。医院から医院へと渡り歩いているお姿は、まるで医療難民で心が痛みます。しかし、どの科にも言えることですが、受診前に医師・病院・医院を選ぶという事は患者さんにとって一番大切で必要不可欠な作業だとも思います。

     何故なら、選んだ医師や医療機関によってほぼ治療内容が決まり、治療品質も、金銭的な負担額も、これからの耐久性も、その歯の運命も、長いスパンで見た全体的な口腔環境の健康が全てその時点で決まってしまうからです。時間と労力が掛かり簡単な事ではありませんが、事前に情報を集め、歯の治療についての基礎知識をある程度持ってから受診することは、乱雑な治療、手抜き治療、必要性のない過剰治療、医学的根拠性のない治療を受けないために患者さんが出来る最も有効な方法のひとつです。虫歯や歯周病を予防して受診しないようにすることが一番いい方法なのは言うまでもありません。

     どんなに精巧な人工の歯を作って詰めても、高額なインプラントを埋入しても、到底自分の天然歯には絶対敵いませんので、日常におけるお口のケアとメンテナンスをもっと重視してほしいと思います。

治療しなければならない場合は?

     ではどうしても治療しなければならなくなった場合、乱雑な治療・必要性のない過剰治療を受けないためにはどのような注意を払ったらいいのでしょうか?

  1. まず予備知識を得ること
  2.      不備な治療を施された方々に共通している点は、情報不足、内装・広告による誘導、歯の治療についての基礎知識のなさ、医師に疑問を問う勇気のなさなどです。一番大事なのは、少しでも歯の治療についての予備知識を持ってから受診することです。その上で医師の説明を聞き、ご自分の考えを整理し、情報を集めて医師の話を再検証し、十分納得なさった上で治療に入りましょう。被害にあった患者さんの多くはこうした過程を踏まないで、急速に突然治療に入っています。言うがままに又ある人は何の事前説明もなかったり。その医師が信頼に値する人間かどうか冷静な目で見て考えることも必要だと思います。

  3. 高額な治療は必ずセカンド・オピニオンを求めること
  4.      大学病院・ネット相談などで第三者・第四者から見た意見を聞いてみるのがいいでしょう。大学付属病院といったところは、インターン生・研修医の育成といった教育義務を担っていますので、学術的視点で見た品質の高い治療を追及している姿勢が強く、各分野のエキスパートから信憑性の高い意見が得られると思います。

         またそういった視点から見ますと、熱心に勉強し、本当に技術がある医師は自分の限界をよく知っているため、自分の手に負えない症例の場合は、連携している大学病院内の専門医に速やかに紹介してくれるでしょう。患者さんを他院に行かせないために自分で無理矢理やってしまう医師・医院もありますので、そういった場合は更なる問題が起きて行きます。特に補綴・インプラント・矯正・審美治療・ホワイトニングなどは数十万円(元)以上の治療費を払うわけですし、根管治療の場合は大切な歯を失いかねないわけですから、もう少し真剣に歯科医選びをする必要性があると思います。

  5. レントゲンを見せてもらうこと
  6.      医療情報は患者さんのためのものです。特に根の治療・根管治療といった肉眼では術後確認が難しいものは見せてもらった方がいいでしょう。素人目にクオリティーの良し悪しの判断が出来ないという欠点はありますが、それでも見せてもらえないよりはいいでしょう。

  7. 自分の病状や治療の展望・費用・後遺症などについて質問すること
  8.      熱心な良い医師は質問される事を好む傾向があります。質問に対して、的外れな答えをしたり、はぐらかしたり、答えられなかったり、任せろよとしか言わなかったり、気分を害するような医師ならば、ご自分で再確認することです、この医師で良いのかどうかと。

  9. 医師・医院のコンセプトが自分の要望に合うかどうか考えること
  10.      例えば歯を残したいと願う方が「インプラント」と大きく掲げている医院に行かれた場合、例え保存治療で救えた歯でも、救えないと伝えられまた治療もされず、大学病院への紹介状も書いて貰えずににそのまま抜歯されインプラントを勧められてしまう可能性が非常に高くなると言う事はいうまでもありません。一般歯科と書かれている医院でもそういった過剰治療を施すところが多くあり注意が必要です。

  11. 豪華な高級歯科医院
  12.      日本国内にもありますが、台湾の大都市にも多く存在します。まるで高級エステサロンのような医院で、もてなしもサロン並みで、高額治療を効率的に行なっていくには理に適った経営方式なのかもしれせん。もちろん患者さんのために寛ぎやすい空間を提供することも大切ですが、度を過ぎた豪華な内装とサービスは不自然さえ感じられます。

         病院で治療を施す場所といえばオペ室・処置室ですが、毎日の拭き消毒に耐えられるように過剰で豪華な内装はしていないものです。院内感染を防ぐには毎日、毎回の消毒滅菌が欠かせません。一般の方が考えている清潔と医療上の清潔さは違いますので、パッと見の良い医院が高い評価を受けたりしています。

         治療難易度の高い患者さんが、パッと見の良くない大学病院へ紹介されるのは何故でしょう?そこにいる医師の技術を求めて行くためだという事でも分かるように、内装と医師の医術は関係ありません。日本人は見た目の良し悪しで物事を判断する傾向が高く、こういったことが医療界では通用しないという事を再認識してほしいと思います。

         歯科治療を通じて感染の可能性がある疾患は多種に亘ります。A・B・C・D型肝炎、HIV、クラミジア、トリコモナス症、カンジダ症、ヘルペスなどと云った疾患は血液や唾液を介して感染しますので、正しい基準に沿った器具の滅菌法や感染予防概念がない歯科医院での受診は、器具又は医師の手によって感染してしまう危険性があると云えますので、見た目のきれいさよりもこちらの方を気に掛けるべきだと思います。

         昨年、銀座の某有名高級眼科医院で、未消毒器具の使い回しで集団院内感染が発生したという報道がありましたが、有名で高級=医療上きちんと消毒しているとは繋がらない事を示しています。

  13. 相性が合うこと
  14.      「あそこいいよ」と聞いて行ってみたら自分には合わなかったということがあるかもしれません。医療機関は自分が一度行ってみて、納得できるかどうかということが大切な条件だと思います。近いから、速いから、有名だから、内装がきれいだからということで決めてしまっては、結局損をしてしまうのは自分です。本当に自分にとって信頼できる医師を選択することは、生涯歯を失わない最も大切な要素だと思います。